慣れちゃいけない事もある。
今日、NHKアーカイブの手塚治虫氏の番組を観ててふと思った事。
慣れて行く事で効率的になったり、技術が向上したり、コミュニケーションがうまくとれるようになったりと、いろいろ良い事はいっぱいあると思う。
でも、最初は苦しかったり辛かったりした事も、慣れて麻痺して行く事もある。その逆に、日常の感謝や感動も、ついつい忘れがちになってしまう。
先人が最初に事を決めた時には、ちゃんと血の通っていたはずのいろいろなルールも、いろんな人に都合良くねじ曲げられて、嫌な慣習として残ってしまう事もある。
番組に出ていたある外科医の先生は、今でも時々ブラックジャックを読み返している。そして、人の命を左右する仕事に、人間が手出しして良いのか、死ぬまで悩み続けるというようなことを言っていた。
その先生は、全ての医者がそう思っていると言っていたけど、本当にそうなんだろうか。
最近見るニュースの中には、そうは思えない人もたくさんいる。身近な医者でさえ、信用できない事もある。
大手企業の信頼の崩壊も、楽や安さ、責任を、他に求めすぎる消費者と、お金と引き換えに、それに応えようとする人や組織の、選択の結果だと思う。
「そうあるべき、そうやってきた」というだけの、悪しき慣習に染まってはいないだろうか。そこに「心」はあるんだろうか。
仕事をして行く以上、いつまでも初心者ではいられない。でも、プロフェッショナルでいるって事は、いつまでも最初に感じた感動や、痛み、重みを忘れない事なのかも知れない。その先生を見ていて、そう思った。
…と、偉そうな事を書いてしまったけど、時々フッと、仕事をしていて空しくなるときがある。何故だか解らないけど、たんたんとした毎日を、ほんの少しだけ、投げ出したくなる。
そんな時、スーパーに行って一斤百何円の食パンを見ると、その何倍も払って、うちのパンを買ってくれる皆に、感謝せずにはいられない。ほんとに、不思議にすら感じる。
私の焼く、決して安くは無いパンに、ちゃんと対価を払ってくれるお客さんを、裏切る事はしたくないな。と、心から思う。
そうやって、日常に慣れる事でぼやけて行く何かを、日常の些細な事で取り戻す。
こんな私の毎日に、大きな刺激は無いし、大きなお金も、大きな夢も無いけど、たんたんとした日々に、慣れすぎて、沈んでしまいたくは無い。赤い満月の夜の、ちょっとした決意表明(笑)
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コメント
「作り手の想い」を感じられるパンを
食べれるって、食べれる側だって
嬉しいモンだ。
だから、私はふじっこぱんが好き。
安心して食べられる。これって、
とても大事だと思うから。
投稿: でこりの | 2006年11月 6日 (月) 20:57
ありがとう(^^)
そういってもらえるの、ほんとにうれしい!
「作り手の想い」
込めすぎて、時々こんがらがっちゃうけど(笑)
これからもよろしくね(^^)
投稿: ふじっこ | 2006年11月 6日 (月) 23:45
月は自分をピーンとさせてくれる感じが好きです。
対価って難しい・・・。
でも理解してするのと気づかずにするのは大きな違いだと思う。
何かにぶつかったときは事実を受け止め受け入れて、次に進んで行けたらと思います。
あぁ、うまく言えないけど今はこんな感じです。
投稿: こみき | 2006年11月 7日 (火) 13:16