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鉄コン筋クリート

やっと観てきました。
私の人生のバイブルの中の一冊「鉄コン」
原作には十数年前に出会った。
そこにはいろんな方向から見た、「クロ」と「シロ」と、主張はしないまでもただそこにある混沌の「グレー」が、鮮やかに、でも今にも崩れそうなもろさをたっぷり含んで描かれていた。
無駄の無いタッチで、躍動感たっぷりに描かれるそんな世界に引き込まれ、その時の私は完全に「シロ」にシンクロしてしまった。
本気で「シロ」になりたいと思っていた。
当時一緒にいた人は、自分は「クロ」だと言った。あぁ、だから一緒にいるのだと、その時は妙に納得したのを思い出す。
そんな思い入れたっぷりの「鉄コン」の映画化。
映像の美しさと、松本大洋の描く世界観の描写に息を飲んだ。
いろんな批評をする人がいると思う。それは当然だけど、私は批評家では無いから、感じたままを書こう。
感想。
痛い痛い痛い。苦しい苦しい。悲しい。寂しい。だけど、激しく惹き付けられる。
映画であるが故のスピードに、私の心が追い付かない。
徐々に二人が壊れていく。音、声、表情、空気。全てを受け止めてしまった。しまった。私は開き過ぎていた。
映画を観て、悔しくて、痛くて泣いた。もし映画館にたったひとりだったら、大声で叫んでいたかもしれない。
痛みを伴う後半は、私はもうただ苦しくて、映画が終わった頃には、お腹がぐるぐる痛くなっていた。
観たくて観たくてしょうがないのに、外に出てしまおうか迷ったほど。
そして実は、私の座っていた最後列の右側の空席に、上映中何度も気配を感じた。なにかは解らない。とにかく、開き過ぎていた。
すごい。
なにがすごいのかよくわからないけど。
もう一度観たい気もするけど、観きる自信がない。
映画としてどうかとかも、もうよく解らない。
でも、観て良かった。
皆はこの映画の中になにを見たんだろう。
私は私を見た。
「シロ」だと思っていた私の中に、今ははっきり「シロ」も「クロ」も「宝町」もいた。
そしてそれが、限り無く美しかった。
「ソコカラ、ナニガ、ミエル?」

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