天秤ばかり。
パン作りを始めて、一番最初に買ったプロの道具が天秤ばかりです。
鈴鹿の古い借家で、週末の三日間は月の庭に勤めながら、週に二日はパンの卸をしていた頃。
ガスオーブンだけは家庭用でも少し大きめのものだったけど、焙炉も無くて発泡スチロールの箱にお湯を張ったお鍋を入れたり工夫しながら、生地も手で捏ねて(これは今もだ…笑)ホームセンターで買ったピンクのキッチンスケールで生地の分割をしていました。
リサイクルショップで買った安いステンレスの作業台の上に、ちょっと厚めのプラスチックシートを固定してのパン作り。
まぁ私の場合、プロと言ってもどこで修行した訳でもなく、小さいお店だし、今でも作業場はキッチンで。そんなに大げさなものはいらないんだけどね。
安くても手になじむもの、使い勝手の良いものというものはあるもので、100均で買ったパン捏ね用洗面器と発酵用保存容器は、今でも愛用してる。
でも、ピンクのスケールが壊れたとき、ずっと憧れてた天秤ばかりが欲しくなった。
パンの分割の時のあの「がちゃんがちゃん」っていうリズミカルな音が、パン屋に勤めてた頃好きだったから。
値段を調べてみたら、これが高くて(笑)ちょっとビビっちゃったけど、勇気を出して買ってみた。
その時の自分には、職人さんが作ったプロ用のはかりなんて、まだまだ手の届かないものだと思ってたから、買っちゃってから、ずっしり重い鋳物のはかりの本当の重さを感じた。
シンプルで精密、粉まみれになっても壊れる事の無いはかりだから、昔からたくさんのパン屋さんに愛用されて来たんだよね。
あぁ。。。このはかりをちゃんと使いこなせるようになりたいなぁ。
家具作家の油田さんと、たき火の前でプロの道具の話をしながら、そう思った事を覚えてる。その時、初めてはっきりと、プロ意識を持ちたいと思ったのかもしれない。
もちろん今でも、このとき買ったはかりは、私のかわいい相棒(^^)
いまだ使いこなせていないし、リズミカルないい音も出せていないけど、いつも目の前にいる初めての相棒は、いつもまだまだの自分を教えてくれる、良い先生でもある。
いつか追いつく事ができるかな。
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